荏原 畠山美術館「花ひらく茶と庭園文化」

日記

「花ひらく茶と庭園文化―即翁と、二万坪 松平不昧 夢の茶苑」という展覧会のことを知ったのはたまたま検索に引っかかっただけなのですが、日本茶インストラクターを目指して勉強をした私としては気になるタイトルでした。

「松平不昧ってインストラクターのテキストで見たな…」と思い確認してみると、ああやっぱり、ありました。松江藩主の大名茶人として名前が挙げられていただけですが、一応覚えていましたね…

江戸後期の大名茶人として名高い、松江藩七代藩主・松平不昧ふまい(隠居後に名乗った号で、本名は治郷はるさと)。多くの茶道具を収集・研究し、またいくつもの茶室を建て、たくさんの茶会を催し、独自の流派「不昧流」茶道を確立したとのこと。

茶道の知識は全くないので楽しめるのか不安ではありましたが、せっかくの機会なので展覧会へ行ってみることに。美しい庭園がありカフェで抹茶をいただけるということなので、そちらにも期待をしていました。

美術館の入り口。立派な門です。

最寄駅から歩いて行くと、そこは静かな住宅街。こんなところにあるの?と思っていたところ、突然立派な建物が現れました。

東京都港区白金台にあるこの美術館は、株式会社荏原製作所の創業者である畠山一清いっせい(号は即翁そくおう)が、茶道具を中心とした収集品を公開するために建てられたとのこと。特に松平不昧を尊敬していたそうで、美しい庭園内にはいくつかの茶室がありました。

庭園をゆっくり眺めながら歩いて行くと、美術館の入り口に到着。
下調べもせず基礎知識がない状態ではありましたが、数多く展示された不昧ゆかりの茶道具コレクションや熱心に研究を行った足跡、江戸大崎の下屋敷に築いた二万坪にも及ぶ広大な「大崎茶苑」についてなどとても詳しく説明されていて、素晴らしい見ごたえでした。
展示設備も光の具合や配置など圧迫感なくゆったりと鑑賞できるように工夫されていて、穏やかな時間を過ごすことができました。

鑑賞後はこちらのカフェで一休み。お呈茶セット(主菓子付き)をいただきました。

黒いお茶碗に抹茶の色が映えます

陶芸家・辻村史朗作の抹茶椀の中から好きなものを選ぶことができるということで、黒楽茶碗にしました。ろくろを使わず手捏てづくねで制作するのが特徴ということで、表面は手指やへらの跡などが残り作り手の想いが伝わってくるようでした。
美しい黒なので抹茶の色も映え、セットのバラの練り切りと共にのんびり味わいました。

帰る前に庭園を散策。あふれる新緑の中に静かに建つ茶室を眺め、普段感じることのない満たされたような気持ちになりました。

タイトルとURLをコピーしました